2019年3月31日日曜日

【レビュー】ナイキ ズームフライ フライニット(NIKE Zoom Fly FK)徹底レビュー!

正確に言うと「取扱説明書」でしょうか?
2018年10月から発売されている「ナイキ ズームフライ フライニット(以下「ズームフライFK」と略します)」。
発売直後に購入し、11月のつくばマラソン2018で実戦投入しました。
結果、自己ベストの2時間55分。サブスリー達成しました。
その後、静岡マラソン2019でも2時間52分でベスト更新!
本項ではズームフライFKを徹底レビューしていきます。

ズームフライFKの恩恵を受けるための3原則 

蹴らない(脚は置くだけ)
重心より後方に着地する(という意識)
ピッチを上げることを意識する 

下りを走るようなイメージで走るといいと思います。

注:重心より後方に着地するというのはイメージで、実際にはそうはならない。

 反発力とクッション性能の両立を目指したシューズである 

反発力:ヴェイパーフライ4%と同じフルレングスカーボンプレートを使用。
クッション性能:ソールにはエピックリアクトと同じリアクトフォームを使用。 
引用元:NIKE公式HP
ズームフライフライニットの構造
ヴェイパーフライとの違いはミッドソールの素材

引用元:NIKE公式HP
ヴェイパーフライ4%の構造
ミッドソールにはズームXフォームを使用

カーボンプレートの恩恵を受けるにはランニング動作を正しく理解しておく必要がある~作用反作用の法則~ 

ズームフライFKの特性を活かすためにはランニング動作を正しく理解する必要があります。
ランニング、とりわけマラソンにおいては正しいフォームで走ることが非常に重要です。 ランニングは、地面を蹴って推進力を得る(地面を蹴ってジャンプをする)と思われがちですが、 着地時の地面からの反力によって推進力を得るものだと考えます。
ではどのように地面からの反力を受けるのか?
中学理科で学習する作用反作用の法則を思い出してください。
作用反作用の2力は…

①同一線上にあり
②力の大きさが等しく
③互いに反対向き

これが作用反作用の法則の定義です。 
そのため、地面に対して入力をしないと反力を受けられません。

地面への入力方法は大まかに以下の2点に分類されます。

①地面を蹴る力
②重力(位置エネルギー) 

①はその場でジャンプをしているのと同義です。
①で推進力を得ていると考えているのであれば、
とりわけマラソンでは42.195kmジャンプをし続けるということになります。
これでは効率が悪すぎる。
筋力任せで進むことになるためすぐにバテます。
②は自身のエネルギーを使わずに得られる力です。 
ゴムボールを地面に落とすようなイメージで着地することで、地面からの反力を最大限受けることができます。
(あとは前方に向かって反力を得るために、着地位置や着地時の足裏の角度などを考える必要があります。) 
ズームフライFKはカーボンプレートを採用することで地面からの反力を受けやすい構造となっています。 

2019年箱根駅伝往路1区で区間賞の東洋大・西山選手。
西山選手の走りはシューズの構造とマッチしていると思う。(ヴェイパーフライだけど)
漫画家のみやすのんきさん(@MiyasuNonki)の「大転子ランニング」で書かれている後ろへの蹴り出しではなく、とにかく前に素早く足を戻す・早く着地させるのイメージと一致。

箱根駅伝面白かった。
東洋大学の西山選手の走りは非常に勉強になる。
スパート部分を見ると、上手く地面からの反力を使って脚を回転させているように見える。
結果他の選手よりもピッチが上がりスパートが効いている。

筋力任せで地面を蹴るのでは無い。 pic.twitter.com/WpEzDEn9hh
— サブスリー投資家 (@rakuten_ecolife) 2019年1月2日

地面からの反力を最大化するソール角度(オフセット) 

カーボンプレートを採用することで反力を受けやすい構造となっていますが、
その反力を効率よく推進力にするためには、反力を受ける角度が地面から鋭角なほど良いです。
近年フォアフット走法が騒がれていますね。
フォアフット(足指で着地するのではありません、足裏の前方部分)のメリットは、
より後方に向けて入力することができることだと考えています。
ただし、重要なことは足裏のどの位置で着地するかということではなく、

体の重心に対して前方で着地しているのか、
後方で着地しているのかということになります。 

かかと着地の人は、ほとんどの人が重心より前で着地していると思います。
逆にフォアフットなら良いのか?というとそうではなく、足首を伸ばせば重心より前着地でもフォアフットっぽくなってしまいます。
しかし、これは足首を無駄に動かしており、かつ反力を後方に受ける着地方法です。
フォアフット走法という言葉に惑わされず、重心よりも後方で着地するイメージを心掛けましょう。 
前置きが長くなりましたが、ズームフライFKのソール角度はかなり前傾になっており、 重心より後方で着地すれば、反力を受ける角度が鋭角になるように設計されています。
再び中学理科で学習する作用反作用の法則を思い出してください。
作用反作用の2力は…

①同一線上にあり
②力の大きさが等しく
③互いに反対向き

③互いに反対向きに力が働くため、入力角度は出来るだけ鋭角にすることが望ましい。
ズームフライFKのソール角度は他のシューズに比べて入力角度が鋭くなるように設計されています。 

着地ダメージを最小化するリアクトフォーム 

ズームフライFKとヴェイパーフライの違いはミッドソール。
ズームフライFKのミッドソールは「リアクトフォーム」が採用されています。
これはかなりクッション性能の高い素材です。
着地時に潰れる感触があるのではじめは違和感があるかもしれません。
着地時にリアクトフォームのクッションが働き、その後カーボンの反発で前に飛び出る感じになります。
長距離を走るには理にかなった構造だと思います。
ただし、クッションが効きすぎて着地時にブレると疲れが溜まり易いかなとも思います。

 軽量化を目指したフライニットは諸刃の剣

ヴェイパーフライも同じですが、軽量化を目指してフライニットを採用しています。
ズームフライFKでも約200gと軽量です。
伸縮してフィット感が高いという売り文句ですが、
伸縮性があるということは、ランニング時に中で動く可能性があります。
また、タン(ベロ)がない構造なので、足幅の調整がほぼできません。
足幅が狭い方は(特にC,Dの方)は一度試走をした方が無難です。
私はDで、シューレースをかなりキツく縛ってもマラソン後半は足先がぶつかる感覚があります。

最後に
総じて完成度の高いシューズですが、正しいフォームで走らなければシューズの性能を活かすことはできないと思います。
このシューズを使う場合はぜひフォーム改善にも取り組んでもらいたいです。

フォームについては
【ランニングエコノミー(RE)の向上】股関節・膝関節の伸展優位について考える(内部リンク)に詳しくまとめています。